児童養護施設 救世軍機恵子寮さんにて

【ワークショップレポート】

児童養護施設 救世軍機恵子寮さんにて。

連日、蒸し暑い日がつづく中、

昨日の7月11日(火)に、大田区にある児童養護施設「救世軍機恵子(きえこ)寮」の職員の方を対象に妖怪かるたワークショップを開催させていただきました。

さかのぼること半年前の1月、

妖怪かるたが掲載された毎日新聞の記事を見て、

職員の方が荒川の展示会場まで駆けつけてくださったのです。

ぜひうちでもワークショップをしてください!職員向けに!

という、とても嬉しビックリな依頼を受けて今回のワークショップ開催となりました。

ちなみに児童養護施設とは、

様々な理由により、保護者がいなかったり、保護者の適切な養育を受けられない子どもたちを養護している施設です。あわせて退所に向けた相談支援や、自立のための援助を行っています。大田区には2ヶ所あり、そのひとつが「救世軍機恵子(きえこ)寮」です。

ちょっと聞きなれない名前ですが、「救世軍」というのは、国際的なキリスト教(一教派)の団体で、その日本の救世軍の創設に貢献した山室軍平という方の奥さまが、山室機恵子(きえこ)さん。彼女は明治・大正時代、生活に困窮している人々や、虐待を受けている子どもたち、被害を受けている女性などを守り、命がけで戦い続けた方なんだそう。機恵子寮という施設名は、彼女の名前に由来しているそうです。

そんな機恵子寮で働く職員の方々の多くは、20代の方も多く。

子育て経験がない中で、子どもたちの親代わりとして日々奮闘しているんです。

それはもう本当に、大変だと思います。

参加してくれた22歳の男性が、

「自分自身、子育て経験がないのに・・・」とポツリと話してくれたのがとても印象的でした。

自分の子どもであれば、どこか諦められる部分もあると思うのですが、

仕事として保護者に代わり、様々な背景を抱える子どもたちと日々向き合っている。

本当に立派な仕事だなあと思いました。

きっとみなさん、日々子どもたちや仕事に追われ、

自分のことをふりかえる機会や時間をなかなか持てないと思います。

そこで今回は、自分自身にフォーカスした「妖怪かるた」を制作してもらいました!

まずはいちよんごの受験シリーズ妖怪かるたを紹介。

自分自身のちょっとイヤな部分にフォーカスした、このかるた。

どういう背景で生まれた妖怪なのかをお話ししつつ、

みなさんの中の妖怪イメージをふくらませてもらいました。

イメージが湧いてきたら、さっそく妖怪かるた制作のスタートです。

静かな中で、紙の音とはさみの音、ときおり畳の軋む音が聞こえてきます。

今回の会場は、懐かしいたたずまいの公民館の和室。

雰囲気バッチリのせいか、アチコチから妖怪たちがどんどん現れてきました。

「ちゅうちょする こしがおもいよ いわいわえん」

「ダルンダルン なにをするにも めんどうだ」

「くちぐせは おっけー♡まってて てきとーばばぁ」

「さぼりん坊 仕事をどんどん ためていく」

「しごとの海に おとなを飲み込む ”おしごとヤレヤレ”」

「いうだけで なにもやらない くちだけさん」

え?わたしのこと!?

って思う妖怪もたくさんいました(笑)

そしてみなさんの妖怪が集合するかるた大会!

全員で輪になって、かるたを取りつつ、

制作した妖怪の紹介をしてもらいました。

ただ21名という人数でしたので、

かるた大会は小グループにわけてするべきでしたね。。

とりにくい状況にしてしまってすみませんでした。

今回、機恵子寮のみなさんには、

「かるたつくり」という形式をとった「問題の外在化」ということをおこなってもらいました。

自分のなかにあるマイナス面を、自分から切り離して外に出してしまう。

私自身、妖怪シリーズを制作しているとき、自分のマイナス面に目を向けることになるので、

ちょっとしんどいときもあります。

でもそのマイナス面に妖怪として形を与えて、名前を与えて、さいごは笑い飛ばしてスッキリする。

かくいうわたしもなかなかできないですが、

イライラしたとき、感情に飲まれそうになったとき、

今回のワークショップで制作した妖怪を思い出し、

「あ、いまあの妖怪がついてるなあ」

と思えたら、少し俯瞰して自分も見れるのではないかと思います。

そうやって気持ちの重い荷物を妖怪に背負ってもらえたらいいなと思います。

忙しいお仕事の合間を縫って参加してくださった機恵子寮のみなさん、

本当にありがとうございました。

進行の面でも至らぬ点多々あり、ご迷惑おかけしました。

私たちにとっても貴重な経験をいただけたこと、本当に感謝しています。

最後に、児童養護施設で働く皆さんに、

ひとりの親としても、感謝の気持ちを込めて。

またぜひお会いできる日を楽しみにしています。

ではでは、ごきげんようか〜い ^^/

救世軍機恵子寮ホームページ



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